前の記事で加山雄三の「君といつまでも」を紹介したわけだが、立て続けに加山雄三を取り上げるのにはワケがある。まぁ、聞いていただければすぐに合点がいくこと間違いなしということなのであるが、つまり、「君といつまでも」とそっっっっくりなのである。
しかし、パクリか!?パクリなのか!?と思うのは少し早い。なんでも、この「恋は紅いバラ」をベースにして、というか、リメイクして「君といつまでも」が出来上がったものであるらしいのだ。「君といつまでも」はジャズ曲をそっくりそのまま持ってきて歌を乗せたのだという話があるが、なるほど、この「恋は紅いバラ」を聴くと、隠しきれないアメリカンムードが漂ってくるのである。私の浅はかなアメリカのイメージを掻き立てて想像するなれば、ところどころノイズの飛ぶ白黒の画面の中で、背の高い背広を着こんだ白人がタバコをふかしている。窓の外にはトラムが走っている...と言ったところか。
曲調は「君といつまでも」と同じようなスローペースのメロディーで構成されている。しかし、「君といつまでも」が大海原のようなゆったり感であるのに対して、こちらは暖炉でゆれる炎のようなゆったり感を醸し出しているような気がする。歌詞にしても、こちらは愚直に幸せな「君といつまでも」とは結構違う。好きだけれどもそうと面と向かっては言えない、どこか高飛車な意固地な男のエゴを歌っているように感じる。
・台詞
「僕は君が好きなんだ だけど だけど そいつが云えないんだな
でもね 僕は君を幸せにする自信はあるんだ」
1965年発売
声が渋い度 ★★★☆☆
アメリカかぶれ度 ★★★☆☆
同じような曲を立て続けに出すんだな度 ★★★★★